変更箇所はどこ?テレワークに対応した就業規則に必要な6つの事項

「テレワーク導入に伴って就業規則を変更したいけど、どこを変更すればいい?」

「テレワークに対応した就業規則にしたい」

「どんな事項を付け加えるのがいいの?」

こんな悩みを抱えていませんか?

新型コロナの感染防止対策として、テレワーク勤務を導入する企業も増えてきました。

通常勤務と働き方がかなり異なるため、テレワークに対応した就業規則にしたいと考えている経営者の方もいるのではないでしょうか?

そこでこの記事では、以下の内容を紹介します。

  • テレワーク対応した就業規則にする方法
  • 必要な事項
  • 就業規則の変更手続き

ぜひ最後まで読んで、自社の就業規則に活用してくださいね。

目次

テレワークとは

テレワークとは

そもそもテレワークとは、どういう働き方なのでしょうか?

テレワークは「ICT(情報通信技術)を活用した、時間や場所にとらわれない柔軟な働き方」です。

要するに、会社から離れた場所で通信機器を使う働き方です。

一口にテレワークといっても、実は「在宅勤務」「モバイル勤務」「サテライトオフィス勤務」の3種類に分けられます。

在宅勤務

会社に出勤せず、自宅を就業場所とする働き方。

通勤時間や費用を削減でき、時間を有効活用できる点が特徴。

モバイル勤務

移動中の交通機関やカフェなどを就業場所とする働き方。

営業職などで外出することが多い場合、移動時間や隙間時間に業務を効率的におこなえる点が特徴。

サテライトオフィス勤務

本社から離れた場所にある小規模オフィスや、コワーキングスペースなどを就業場所とする働き方。

顧客が集中する場所にサテライトオフィスがある場合、顧客に迅速な対応ができる点が特徴。

テレワークに対応した就業規則にする2つの方法

テレワークに対応した就業規則にする2つの方法

テレワークに対応した就業規則にする場合、2つの方法があります。

  • 既存の就業規則にテレワークに関する規定を盛り込む
  • 新たにテレワーク規程を作成する

どちらの方法にするかは、会社の判断に委ねられます。

しかし変更のしやすさ、従業員への周知のしやすさといった観点で見ると、新たにテレワーク規程を作成する方法がおすすめです。

テレワークに対応した就業規則に必要な6つの事項

テレワークに対応した就業規則に必要な6つの事項

テレワークに対応した就業規則にするには、主に以下の6つの事項を定める必要があります。

  1. 定義
  2. 対象者
  3. 服務規律
  4. 労働時間
  5. 賃金・手当
  6. 費用負担・備品貸与

それぞれどのような事項か、ひとつずつ説明していきましょう。

①定義

1つ目は定義です。

冒頭でも説明したように、テレワークは主に「在宅勤務」「モバイル勤務」「サテライトオフィス勤務」の3種類があります。

自社が導入するテレワークはどの勤務形態にあたるのかを、就業規則に明示しましょう。

また、定義と一緒に就業場所に関するルールも決めておきます。

たとえば在宅勤務の場合、「就業場所は自宅だけ?」「介護している親の家での仕事も許可してほしい」などという、質問や意見が従業員から寄せられるでしょう。

従業員の事情と情報漏洩リスク、両方の観点から考えて就業場所を定めると、後々のトラブルの防止につながります。

②対象者

2つ目はテレワーク勤務の対象者です。

決め方としては、以下のような例があります。

  • 全従業員を対象にする
  • 勤続年数・雇用形態・職務内容などで対象者を限定する
  • 育児・介護が必要な者を対象にする

いきなり全従業員を対象にするのが難しい場合は、出勤が困難であり、テレワークでも仕事に支障が出ない従業員のみを対象にするといいでしょう。

また、テレワーク勤務の利用にあたって、どのような手続きが必要なのかも明記します。

手続き方法は「許可制」や「届出制」といった方法が挙げられます。

許可や届出の期限、申請をもらう相手、必要書類など手続きについても規定すると、テレワーク勤務に切り替えるときにスムーズです。

③服務規律

次に、テレワーク勤務に必要な服務規律を規定します。

テレワーク勤務は、通常勤務よりも情報漏洩のリスクが高まりやすいです。

顧客情報の取り扱い、管理方法、パソコンや情報の持ち出しルールなど、セキュリティ上の注意点を明確にしましょう。

そして、テレワーク勤務者に遵守の徹底を呼びかけてください。

④労働時間

4つ目は労働時間です。

テレワーク勤務では通常の労働時間制のほかに、以下の時間制度が採用されることが多いです。

フレックスタイム制

あらかじめ定められた総労働時間の範囲内で、始業・終業時刻を従業員が自由に定める制度。

事業場外みなし労働時間制

会社の外で仕事をした場合に、一定時間を働いたとみなす制度。

自社の実態やテレワーク勤務者の業務内容を考慮して、どの労働時間制を採用するかを決めましょう。

また、テレワークの勤怠管理についても新たな規定が必要です。

テレワークは労働時間の管理が難しく、サービス残業が増加しやすい点が問題になっています。

始業・終業時刻の報告、時間外労働に関する条件、勤怠管理ツールの利用などについても取り決め、従業員の労働時間をしっかりと管理できるようにしましょう。

⑤賃金・手当

テレワーク勤務だからといって、基本給や諸手当を減額することは非利益変更にあたるので許されません。

しかし、従業員が出社する日が少なくなる場合、通勤手当を見直すことは可能です。

減額とするのか、出社日数に応じて支払うのか、代わりとなる手当を支給するのかは会社によって様々です。

テレワーク勤務によって通勤手当の支給方法が変わる場合は、就業規則に明記しなくてはいけません。

⑥費用負担・備品貸与

最後はテレワーク勤務時にかかる費用を、会社と従業員のどちらが負担するのかを規定します。

該当する費用は通信費、郵送費、消耗品費、水道光熱費、事務用品費などです。

後々トラブルに発展しないように、あらかじめ労使で十分に話し合って決めてください。

従業員に費用を負担させる場合は、それに関する事項を就業規則に規定する必要があります。

就業規則の変更手続きを5ステップで解説

就業規則の変更手続きを5ステップで解説

日常的に従業員が10人以上いる会社は、就業規則を変更したり、就業規則の一部として新たに規程を作成した場合は、管轄の労働基準監督署への届出が必要になります。

テレワーク導入時においても同様です。

就業規則を変更する場合、以下の手順でおこなわれます。

  1. 変更案を作成する
  2. 従業員へ周知する
  3. 従業員代表から意見聴取する
  4. 就業規則変更届を作成する
  5. 管轄の労働基準監督署に届け出る

各手順について、説明していきます。

就業規則の義務について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

義務があるのはどこ?就業規則の作成が必要な会社と2つの違反リスク (sr-suzuki.jp)

①変更案を作成する

まずは、人事部や総務部などの担当部署で変更案の草案をまとめます。

できあがった草案は、変更箇所が法律に抵触していないか人事総務の責任者が確認します。

特に問題がなければ、取締役会に提出して経営陣からの合意を得てください。

②従業員へ周知する

変更案を作成したら、一度パート・アルバイトを含む全従業員に周知します。

「テレワーク導入に伴ってこんな風に就業規則が変わりますよ」と、事前に知らせておきましょう。

周知方法は社内の見えやすい場所に提示する、書面で交付する、もしくはパソコンで閲覧できるようにデータ共有するといった方法があります。

③従業員代表から意見聴取する

次に、従業員代表に変更案を確認させて意見聴取します。

意見によっては、内容を修正することも検討します。

聴取した意見は、意見書に記入して届出の際に添付してください。

意見聴取と意見書の添付は義務付けられているので、必ずおこないましょう。

④就業規則変更届を作成する

意見書の作成が完成したら、就業規則変更届を作成します。

就業規則変更届は、労働局のサイトからダウンロード可能です。

⑤管轄の労働基準監督署に届け出る

最後に、以下の書類を労働基準監督署に提出します。

  • 就業規則変更届
  • 意見書(2部)
  • 変更した就業規則(2部)

変更点が一部だけなら、変更点のみの届出が可能です。

新旧条文対照表、就業規則における該当ページの写しなど、変更点が明らかになるものを添付してください。

提出した就業規則と意見書は、1部が労働基準監督署の受付印が印字されて送付されます。

それらを控えとして保管してください。

これで就業規則の変更手続きは完了です。

変更した就業規則を、もう一度従業員に周知することを忘れないようにしましょう。

まとめ:通常勤務と異なる点を就業規則に明記しよう

まとめ:通常勤務と異なる点を就業規則に明記しよう

最後に、この記事でご紹介した内容をおさらいしましょう。

テレワーク導入で就業規則を変更する場合、2つの方法があります。

  • 既存の就業規則にテレワークに関する規定を盛り込む
  • 新しくテレワーク規程を作成する

テレワーク導入にあたって、就業規則やテレワーク規程には次の事項を定める必要があります。

  • 定義
  • 対象者
  • 服務規律
  • 労働時間
  • 賃金・手当
  • 費用負担・備品貸与

就業規則を変更する場合、以下の手順でおこなってください。

  1. 変更案を作成する
  2. 従業員へ周知する
  3. 従業員代表から意見聴取する
  4. 就業規則変更届を作成する
  5. 管轄の労働基準監督署に届け出る

新型コロナウイルスの脅威は、未だに収束の目処が立っていません。

「テレワークはあくまでも緊急措置だから」といった理由で規程を曖昧にしては、すぐにトラブルに発展してしまいます。

先行き不透明な状況だからこそ、規程がしっかりと定まった就業規則が必要です。

「うまく就業規則を変更できるか不安だなぁ…」とお悩みの方は、ぜひ当事務所にお問い合わせください。

飯田橋事務所では、就業規則に関するご相談や作成業務を承っています。

業務内容についてご不明な点がありましたら、どうぞお気軽にお問い合わせください。

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