
社員が育つ!人事評価制度の仕組みとは?
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『人事評価制度はなぜ必要なのか』 では人事評価制度の目的や活用についてお伝えしました。
更に現在は、在宅勤務が増加し、部下の働きを直接見ることが出来ない今、人事評価制度の必要性が高まっています。これから自社でも人事評価制度を導入しよう!と思っている経営者の方も多いのではないでしょうか。
ただ、いざ導入しようとすると、何から手を付けていいのか分からず、結局導入に至らない、なんてこともあるかと思います。それに、せっかく人事評価制度を導入するのであれば、やはり会社にとってプラスになる制度=社員の成長につながる制度にしたいですよね。
ここでは、社員が自発的に育ってくれる、そんな人事評価制度の構築についてお話しできればと思います。
『社員が育つ!人事評価制度』で一番大切なこと
『社員が育つ!人事評価制度』で一番大切なこと、それは『納得感』を感じられるものであることです。『納得感』と言ってもピンとこないかもしれませんが、社長にとっても、社員にとっても、とても大切なものと言えます。
例えば、ある社員Aの給与について
社長:「なぜこの社員はこんなに給与が多いのか、払い過ぎではないか?」
社員A:「こんなに働いているのに全然給与が上がらない!」
そんな正反対な気持ちを持っている状況では、お互いに安心して働くことが出来ず、モチベーションも上がりません。
では、評価基準が明瞭で、給与ときちんと連動していたらどうでしょう。
社長:「今期はここまでやってくれたのか!では昇給してまた頑張ってもらいたい!」
社員A:「きちんと成果を評価してもらえた!これからももっと頑張ろう!」
と互いの評価に『納得』し、社員のモチベーションも上がり、自発的に成長できるのではないでしょうか。
そんな都合の良い人事評価制度なんてない、と思いますか?もちろん、人事評価制度自体がそういった効果を持つわけではありません。社長と社員が、人事評価制度に『納得感』を持ち、きちんと運用することが大切です。
ではどうしたら『納得感』が得られる人事評価制度を作れるのか。
それには3つのツール【キャリアパス(目標設定)】【評価システム】【給与システム】を使っていくことになります。
必要なのは3つのツール!≪その1. キャリアパス(目標設定)≫
キャリアパスとは、社員の現在の位置づけと、将来への道筋を示すものです。
社長には、社員にどうなってほしいかのイメージがあるかと思います。例えば、入社して3年後には後輩の指導ができるくらいになってほしい、10年後には管理職になってほしい、等、頭の中にあるイメージをそのままキャリアパスとして明示してください。それが、社員にとっては将来への道筋になります。
人事評価制度では、半期ごとに自分で目標設定し、自己成長を促します。あらかじめキャリアパスを示しておくことで、その目標設定の際に、ある程度会社の求める目標設定(自己成長の方向性)をすることが出来ます。
必要なのは3つのツール!≪その2. 評価システム≫
社員が目標設定し、その達成に取り組んだ後、その結果を評価する工程が必要になります。それが評価システムです。評価の基準は以下の3つになります。
①目標達成 … 目標設定で立てた目標の達成度合い
②能力 … 成果を出すために必要な能力
③価値観 … 社員として大切にしている価値観
②能力の評価には『コンピテンシー:会社が考える優秀な人の行動習慣』、③価値観には『コアバリュー:会社で働く上での判断基準(経営理念や社訓など)』を使用し、それぞれ評価のポイントを項目として提示します。どちらも会社の方針や考え方によって内容の異なるものですので、社長には時間を掛けて検討して頂きたい項目になります。
必要なのは3つのツール!≪その3. 給与システム≫
給与システムで重要なのは、給与を評価と正しく結びつけることです。ここが、最も『納得感』に繋がる部分です。
評価と給与の紐づけは以下のようなイメージになります。
①目標達成 ⇒ 半期毎。賞与に反映
②能力+③価値観(+①目標達成) ⇒ 次年度の昇給昇格に反映
どんな評価を受ければどんな待遇になるのか、その基準を明示しておくことで、社員は安心して働くことが出来ます。
まとめ
人事評価制度を人材育成に活用し、『社員が育つ!人事評価制度』にするには、社員が会社の求める将来像を理解し、そこに向かって自ら成長しようという意識を育てることが大切になります。そのためには、社長と社員が人事評価制度に『納得感』を持ち、互いに『信用・信頼』し合うことが必要です。
人事評価制度の3つのツール、自社で一から作成するのは、大変な労力となります。『社員が育つ!人事評価制度』の3つのツールにご興味がある方は、ぜひ当事務所の個別相談会をご利用ください。