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改正育児介護休業法で変わる育児休業給付と社会保険料免除

2022年(令和4年)10月の改正育児介護休業法の施行では、「産後パパ育休(出生時育児休業)の創設」と「育児休業の分割取得」が始まります。これに伴いまして、雇用保険の育児休業給付と育児休業期間中の社会保険免除について変更点があります。今回は、これらの変更点について解説いたします。

※改正育児介護休業法の内容については、2022年4月から始まる改正育児介護休業法で何が変わるのか? のブログをご覧ください。


こちらでも詳しく解説いたします。

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目次[非表示]

  1. 1.育児休業給付【雇用保険】
    1. 1.1.育児休業の分割取得
    2. 1.2.産後パパ育休(出生時育児休業)
    3. 1.3.その他の変更点
  2. 2.育児休業期間中の社会保険料免除【社会保険】
  3. 3.まとめ

育児休業給付【雇用保険】

育児休業(出生時育児休業)を取得し、受給資格を満たしていれば、原則として休業開始時の賃金の67%(180日経過後は50%)の育児休業給付金を受けることができます。これまでは1歳未満の子について、産後8週間経過後は原則として1回限りでしたが、法改正により育児休業の分割取得、産後パパ育休に対応した内容に変わります。


育児休業の分割取得

育児休業の分割取得により、1歳未満の子について、産後8週間経過後は原則としてまでの育児休業について、育児休業給付金を受けられるようになります。


3回目以降の育児休業については、次の回数制限の例外事由に該当する場合は、この回数制限から除外されます。

①別の子の産前産後休業、育児休業、別の家族の介護休業が始まったことで育児休業が終了した場合で、新たな休業が対象の子または家族の死亡等で終了した場合

②育児休業の申し出対象である1歳未満の子の養育を行う配偶者が、死亡、負傷等、婚姻の解消でその子と同居しないこととなった等の理由で、養育することができなくなった場合

③育児休業の申し出対象である1歳未満の子が、負傷、疾病等により、2週間以上の期間にわたり世話を必要とする状態になった場合

④育児休業の申し出対象である1歳未満の子について、保育所保育利用希望し、申し込み行っている、当面その実施行われない場合


育児休業を延長する場合は、夫婦交代で育児休業を取得(延長交代)することもでき、

か月とか月~までの各期間において夫婦それぞれ1回に限り育児休業

給付金を受けられます。


産後パパ育休(出生時育児休業)

産後パパ育休(出生時育児休業)とは、出生週間以内に週間まで取得(2回まで分割取得)できる育児休業のことをいいます。この産後パパ育休を取得した期間についても育児休業給付金が受けられます。


●休業中の就業について

あらかじめ労使協定を締結している場合は、産後パパ育休の休業就業することが可能となっています。その場合の育児休業給付金が受けられる条件は次のとおりです。

・休業期間中の就業日数が、最大10日(10日を超える場合就業している時間が80時間)以下であること。ただし、28日間(週間)より短い場合は、その日数に比例して短くなる。

(例)14日間の休業の場合 ⇒ 最大5日(5日を超える場合は40時間)

   10日間の休業の場合 ⇒ 最大4日(4日を超える場合は28時間)※端数切り上げ


申請期間は、出生(出産予定日前に出生した場合は、当該出産予定日)の週間翌日から起算してカ月までとなります。2回に分割して取得する場合は、1回にまとめて申請することになります。


その他の変更点

・支給要件となる被保険者期間の確認や、支給額を決定する休業開始時賃金月額の算定は、初めて育児休業を取得する時のみ行います。従って、2回目以降の育休の際は、これらの手続きは不要です。

※産後パパ育休を取得している場合は、それを初めての休業とします。その後に取得する育児休業についても、これらの手続きは不要です。


・産後パパ育休と育児休業を続けて取得した場合など、短期間に複数の休業を取得した場合は、先に取得した休業から申請します。


育児休業期間中の社会保険料免除【社会保険】

社会保険(健康保険・厚生年金保険)に加入している従業員については、育児休業期間中における各月の給与・賞与に係る社会保険料が被保険者負担分及び事業主負担分ともに免除となります(届出が必要)。

具体的には、育児休業開始日の属する月から育児休業終了日の翌日が属する月の前月(終了日が月末の場合は終了した日の属する月)までの期間となります。


これまでどおり「その月の末日が育児休業期間中である場合」は、その月の社会保険料が免除となりますが、2022年(令和4年)10月以降は、それに加えて、「同一月内で育児休業を取得開始終了し、その日数が14日以上(就業した日数を除く)の場合」、新たに保険料免除の対象となります(つまり、月末に育児休業期間がなくても対象となります)。ただし、「賞与に係る保険料については、連続してか月を超える育児休業を取得した場合に限り免除」することとなりました。


まとめ

育児休業を取得できる期間の多様化により、育児休業給付金や社会保険料免除の対象となる期間も複雑になっています。制度利用にあたっては、労働者への周知がより重要となりますので、しっかり事前に周知したうえで手続き漏れがないように気をつけましょう。


こちらでも詳しく解説いたします。

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【参考資料】

厚生労働省「令和4年10月から育児休業給付制度が変わります」

厚生労働省 雇用環境・均等局 職業生活両立課「育児・介護休業法の改正について」(2021年11月5日)

社会保険労務士 横島洋志

社会保険労務士 横島洋志

特定社会保険労務士 産業カウンセラー 茨城県生まれ。大手飲料メーカー、広告代理店などでの営業勤務を経て、平成19年に社会保険労務士の資格を取得。平成29年に特定社会保険労務士付記。