時間外や深夜(午後10時~午前5時)に労働させた場合には、2割5分以上、法定休日(1週間に1日もしくは4週間で4日の休日)に労働させた場合には、3割5分以上の割増賃金を支払わなければなりません。
割増賃金の基礎となる賃金には、家族手当、通勤手当、別居手当、子女教育手当、住宅手当(住宅に要する費用に応じて算定の場合のみ)、臨時に支払われた賃金、1か月を超える期間ごとに支払われる賃金は算入しません。
裁量労働で労使協定によりみなし労働時間制を採用し、みなし労働時間が法定労働時間を超えていなければ、実際の労働時間には関係なく、みなし時間に応じた年俸が設定されていればよいこととなります。
賞与については、支給額があらかじめ確定しているものは賞与とはみなされません。年俸制で毎月支払い部分と賞与部分を合計してあらかじめ年俸額が確定している場合の賞与部分についても割増賃金の算定基礎に入れなければなりません。
1時間当たりの割増賃金の計算方法を示すと、以下のとおりです。なお、1.35又は0.35としているのは、法定休日労働の場合です。

労働基準法(第32条)は、労働時間の原則を週40時間、1日8時間と定め、これを超えて労働者に労働させた場合には、同法第37条の規定により、通常賃金の2割5分以上の率で計算した割増賃金を支払うよう定めています。
このように、割増賃金(時間外手当)は、労働時間に応じて計算されるべきですが、就業規則や労働協約において、一定額、または、時間数で一律の割増賃金を定める場合があります。こうした場合であっても、一定額を超える実績に対してはその不足額を支払うことが必要です。実際の時間外労働によって計算した額が、会社で決めた時間外手当額を上回る場合には、その差額分の支払いが必要となります。
特定の月においては定額の残業手当が不足するが、1年間を平均すれば定額が実績を上回る場合であっても、残業手当が不足する月については差額を支給しなければなりません。残業手当が実績を上回る月についても、支給額については就業規則等で定めたものですから、その全額を支払う義務が生じます。
賃金不払残業とは、いわゆるサービス残業のことをいいます。これは、長時間労働や過重労働の温床ともなっており、厚生労働省では、『賃金不払残業総合対策要綱』 を策定し、労使が主体的に労働時間の管理の適正化を賃金不払残業の解消のために取り組むべき事項を示しています。